今秋、無人で水深4000mの海底を探査する国際レースに日本チームが挑む。「チームクロシオ」に8機関・企業の精鋭が集い、探査機の運用や通信技術の高度化を進める。月面や火星表面より不鮮明な地図しかない深海底には、大きなビジネスチャンスが眠っている。

 水深4000mの海底で今秋、もう一つの“ワールドカップ”の決勝戦が行われる。米エックスプライズ財団が主催する、無人ロボットによる海底探査レース「シェル・オーシャン・ディスカバリー・エックスプライズ」だ。

 賞金総額は700万ドル(約7億7000万円)。参加した全32チームのうち、9チームが予選を勝ち抜いた。そこにアジア勢として唯一食い込んだのが、8つの研究機関や企業の精鋭が集結した日本代表の「チームクロシオ」だ。32歳の若さで共同代表を務める海洋研究開発機構(JAMSTEC)の大木健氏は「我々の技術が世界でどこまで通用するのか確かめたい」と意気込む。

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