最新の耐震設備や停電対策設備を備え、災害時にもITシステムを守るデータセンター。その施設が、故障の要因にもなりかねない「禁じ手」を使ってまで、省エネルギー化を推し進めている。スマートフォンの普及やAI需要の急増に加えて、「アマゾン・エフェクト」が迫っているからだ。

東京都三鷹市にある関東最古の公団住宅前で、今年4月、最新のデータセンター(DC)が稼働した。NTTデータが運営する「三鷹データセンターEAST(三鷹EAST)」だ。今後に予定されている2期工事が完了すると延べ床面積は約3万8000m2に拡張され、国内最大級のDCとなる。特徴は建物の設計段階からAI(人工知能)活用を想定していることだ。
DCの需要が国内外で高まっている。最大の理由はスマートフォンの爆発的な普及だ。インターネットにつながる端末が急増し、高画質の動画配信が浸透するなど通信回線の負荷も高まる一方だ。総務省によれば2017年、国内のインターネット上でやり取りされたデータ量は1日当たり約120ペタ(ペタは1000兆)バイトに達し、3年前の3倍に増えた。
一方で、手元のスマホやパソコンは処理能力が限られている。搭載する電池容量などを考慮しても、実際の計算処理はネットの“向こう側”でまとめて実施する方が効率的だ。こうした背景から、「ITは集約化の一途をたどっている」とNTTデータの坂本忠行ファシリティマネジメント事業部長は話す。
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