建設現場を最先端の工場へ──。施工の自動化は建設業界が何十年も前から抱いてきた夢。建設会社は深刻な人手不足の時代に備え、長年の夢の実現に取り組み始めた。単純作業や苦痛な作業を職人に代わってこなすロボットを現場に導入。普及のカギは低コスト化だ。

図1 大成建設が開発した鉄筋結束ロボット
鉄筋結束ロボットのサイズは幅40cm、奥行き50cm、高さ30cm。重量は20kg以下で、1人で持ち運びができる。バッテリーは1回の充電で半日は持つ(写真:日経コンストラクション)

 建設現場において中腰の姿勢で大量の鉄筋を結束するのは、単調でつらい作業だ。これに対して、大成建設と千葉工業大学が共同で開発した「T-iROBO Rebar(ティーアイロボ・リバー)」は、鉄筋を「レール」にして走行しながら自動で結束作業をこなすロボットだ。2018年度から現場に本格的に導入する(図1)。

 レーザーセンサーで鉄筋の交差部を検出し、本体に搭載した市販の結束機を作動させて鉄筋を結ぶ。鉄筋の端部や障害物もレーザーセンサーで検知する。自動で横に移動して回避し、結束作業を続けられる。

作業効率が1~2割アップ

 開発を担当した千葉工業大学未来ロボット技術研究センターの西村健志研究員は、「センサーは特殊なものではなく、簡素な製品を選んだ」と話す。大成建設建設技術開発室ロボティクスチームの高橋要課長は、「現場は使用環境が厳しいので、高価ですぐ壊れる『ハイテク』なロボットは使えない」と説明する。