人類が月面に到達したのは1969年。それから約半世紀が経過し、新たなレースが始まった。各国が掲げる次の目標は月面に「基地」を建設し、火星などへの足がかりにすることだ。地上で培った技術を応用することで企業の参入を促し、低コスト化に取り組む。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙探査フィールド(相模原市)。月や惑星の地表を想定し、探査ロボットなどを研究開発する(写真=陶山 勉)

 真っ暗闇の中で明かりがともると、ただの砂場が一瞬にして「月面」に変わった。太陽光に見立てたライトが、砂に刻まれたわだちを浮き彫りにし、探査車が長い影を落としていた。

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の相模原キャンパスにある「宇宙探査フィールド」。体育館に似た建物に工業用の砂を425トン敷き詰め、架空の惑星表面を再現した。探査車の車輪がどう動き、着陸時にどんな衝撃が機体にかかるのかを実験する施設だ。