「さすがに、これはちょっとやり過ぎたんじゃないか…」。

 2015年、完成したばかりの新型ウォークマンの試作機を前に、エンジニアの佐藤朝明氏と佐藤浩朗氏は顔を見合わせていた。

 音質を向上させるためボディーに無酸素銅をふんだんに使った試作機は、携帯音楽プレーヤーとしては規格外の仕上がりだったからだ。400グラムを超える本体は手に取るとずしりと重く、シャツの胸ポケットにはとても入らない。