文化の香りがする豊かな生活が手に入る──。大衆に夢を見させた。バブル崩壊で詩人経営者は糾弾されたが、その精神は今も生きている。セゾン文化は「お坊ちゃん育ち」の屈折した心情とも表裏一体だった。

「僕は靴を脱いでいすの上にしゃがみ込んで、たばこを吸いながら、堤さんとやり取りしていたんですって。会長室で、お猿みたいな恰好で。打ち合わせに同席した助手があとで教えてくれたのです。伸び伸びしすぎるような僕をよく大目に見てくれたと思います」
糸井重里がコピーライターとして西武関連の仕事を始めたのは30歳くらい。1979年、北海道・旭川に開業した商業施設に関するコマーシャルソングを任されたのがきっかけだ。糸井が作詞して、シンガーソングライターの矢野顕子が曲を作って歌うものだった。
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