平均寿命が世界的に短いロシアでは、短命社会を克服するために日本の医療技術に注目している。停滞する北方領土返還交渉を動かす新たなアプローチとなり得る。

神戸国際大学 経済学部准教授
2008年に大阪大学大学院言語文化研究科修了。博士(言語文化学)。同年、神戸国際大学専任講師。12年から現職。専門はロシア地域研究、社会学。
安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領が2016年12月に山口県長門市で日ロ首脳会談を行ってから、間もなく1年を迎える。そこで固まったのが8項目からなる日ロ経済協力だ。日本政府は北方領土問題や平和条約交渉を進展させるカギと位置付けている。

政府主導でロシアへの日本企業進出を支援する、これほど大規模なプロジェクトはこれまでなかった。そして、8項目の中でもトップに挙げられたのが、ロシアにおける健康寿命伸長のための「医療水準の向上」だ。
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