本来の趣旨から外れ「返礼品競争」と化したふるさと納税で、政府が抜本的な規制に乗り出した。「返礼ありき」ではなく政策メニューの中身で競争を促進する方向に、制度をシフトさせていくべきだ。

鈴木 善充[すずき・よしみつ]
近畿大学
短期大学部商経科
准教授
2008年関西大学大学院経済学研究科博士後期課程修了(博士=経済学)。16年から現職。専門は財政学。大阪大学大学院医学系研究科招聘准教授も兼任。
野田聖子前総務大臣は、9月11日の閣議後の記者会見で「ふるさと納税は存続の危機にある」と苦言を呈した(写真=読売新聞/アフロ)

 2018年9月、総務省はふるさと納税制度を巡り、寄付金に対する返礼の割合を3割以下に抑えない自治体を制度の対象から除外する、抜本的な規制に踏み切る方針を示した。

 ふるさと納税制度は、一定の所得がある納税者が出身地などの応援したい自治体に寄付をすると、寄付額から2000円を引いた金額が、所得税や自分が住んでいる自治体の個人住民税から控除される。住民税税額の2割を上限に特例控除が講じられる結果、寄付額から2000円を差し引いた額がすべて減税の対象となる。