人手不足が慢性的な社会問題となる中、若手社員による早期離職に歯止めがかからない。新人に優しい態度で接すれば離職を防げるわけでもない。新たな対策が必要だ。

初見 康行[はつみ・やすゆき]
多摩大学
経営情報学部 准教授

1978年生まれ。2004年同志社大学文学部卒。企業において法人営業や人事を経験。17年一橋大学博士(商学)。専門は人的資源管理。18年より現職。

 ゴールデンウイークが終わった。毎年この時期になると、特に入社から1カ月がたった新社会人たちが「今の会社を選んで良かったのか」などと悩む。いわゆる「5月病」の季節だ。

 業界に限らず人手不足が叫ばれるようになって久しい。企業にとって、せっかくコストをかけて採用した新人がすぐに辞めてしまうのは大きな痛手だが、若手社員の早期離職率は高止まりしているのが実態だ。厚生労働省の統計によると、新規大卒者が入社3年以内に辞めてしまう比率は2014年で32.2%となっている。

早期離職はバブル経済崩壊後に増えてきた
●新規大卒者の3年以内離職率
出所:厚生労働省
人手不足といわれる中、早期離職率は下がらず企業の課題となっている(写真=milatas/a.collectionRF/amanaimages)