日本ではCSR(企業の社会的責任)に対応するためのコストと捉えられがちな「人権」。だが人権は売り上げにも直結する経営の一要素であり、軽視すると会社が揺らぐ時代を迎えつつある。

石井 麻梨[いしい・まり]
デロイトトーマツ
コンサルティング コンサルタント
1983年生まれ。2007年に東京大学教養学部卒、内閣府で政策立案・調査に従事。12年ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス行政学修士。財務省勤務を経て、15年より現職。

 「人権問題の解決に取り組まなければいけない」と聞いて、反対するビジネスパーソンはいないだろう。だが総論では賛成でも、人権を自分自身の問題として捉え、具体的にアクションを起こしている企業は少ない。人権尊重の大切さはなんとなく理解できていても、なぜ大切なのかという具体的な理由までは理解されていないからだ。

 なぜ、企業にとって人権の尊重が大切なのか。それは人権が、企業の売り上げに直結するものだからだ。軽視すれば、大企業の場合で1000億円単位のダメージとして降りかかる。企業は一刻も早く、人権を重視する「人権経営」にかじを切るべきだ。