仮想通貨の盛り上がりは投機的な側面によるものが大きいが、将来的に生活に根差す可能性を秘める。技術的な課題の解決には時間がかかるが、税制面では現状に即した制度を考える必要がある。

慶応義塾大学
経済学部教授
1993年大阪大学経済学部卒。東京大学大学院修了。東大助手、財務省財務総合政策研究所主任研究官などを経て現職。政府の税制調査会の委員などを歴任。

ビットコインをはじめとする仮想通貨は、2017年から価格が高騰した。シカゴ・マーカンタイル取引所の先物取引価格は12月中旬に1ビットコイン(BTC)当たり2万ドルに迫ったが、年が明けて1月中旬になると1万ドルを割り込んだ。
相場が乱高下するのは、投機目的の売買が中心だからだ。そのため規制を強化しようとする声もあるが、このままでは仮想通貨の潜在的な有用性が伝わらないままだ。決済手段として不自由なく使えるようになれば、仮想通貨を持つ人が増える。結果として、短期的な売買による相場の乱高下は起きにくくなり、決済手段としてより利便性が高まるという好循環が生まれる。
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