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企業経営
山崎 良兵
やまざき・りょうへい<
クロスメディア編集部長。ニューヨーク支局、日本経済新聞社証券部、本誌副編集長を経て現職。

 製造業のIoT(モノのインターネット)化をリードしてきた米ゼネラル・エレクトリック(GE)が苦悩している。GEのデジタル戦略は、なぜ壁にぶち当たったのか。

 2018年12月中旬、GEのIoTの“ドン”が会社を去ることが決まった。GEデジタルのCEO(最高経営責任者)だったビル・ルー氏。GEが掲げてきた産業機器のIoT化戦略「インダストリアル・インターネット」の旗振り役で、業界で広く知られていた人物だ。

 同社のデジタル戦略は、「製造業の未来の羅針盤」として注目を集めた。多数の産業機器をつなぎ、膨大なデータを解析して、故障を未然に検知したり、製造工程における不良品の発生を削減したりする取り組みを進めてきた。複数の競合メーカーの幹部が「GEを参考にしている」と公言するほどだった。

 GEは15年、「20年にソフトウエア事業の売上高を150億ドル(約1兆7000億円)に引き上げる」との目標を掲げた。だが、ルー氏の退社と同時に発表された19年に分社化するソフト事業の売上高は12億ドル(約1300億円)。関連事業を売却した影響もあるが、当初目標から懸け離れている。