公正競争
菅原 透
すがわら・とおる
本誌副編集長。日本経済新聞社企業報道部、広州支局、上海支局などを経て現職。

 日本政府が韓国政府の同国造船会社に対する過剰な公的支援策を問題視している。商船分野で公正な受注競争ができない、との主張だ。だが、日韓造船紛争にはもう一つの戦いがある。

 「韓国はやりすぎた」。日本の造船大手関係者がこう話すのは、海洋プラント事業の失敗で経営危機に陥った同国造船3位の大宇造船海洋に対する韓国政府の過剰な公的支援策。2015年から17年にかけて総額1兆2000億円もの公的資金をつぎ込んだとされる。

 日本側は「造船市場における公正な競争条件を歪曲している」として3年前から問題視してきたが、韓国側は「国際ルールにのっとっている」と譲らない。このため、日本政府は世界貿易機関(WTO)協定に基づく紛争解決手続きに入った。年内にも2国間で協議を始め、解決策が見いだされない場合は、日本側はWTO補助金協定に違反しているとして提訴、裁定を仰ぐことになる。