政 治
安藤 毅
あんどう・たけし
本誌編集委員。日本経済新聞社で経済部、政治部などを経て現職。

内閣改造を経て政府が新たな成長戦略の議論をスタートした。柱に据えるのが「全世代型社会保障」の構築や地方施策の強化。選挙イヤーの来年を意識した目玉政策の舞台裏を検証する。

 「全ての世代が安心できる社会保障改革は、安倍内閣において今後の最大のチャレンジだ」。第4次安倍改造内閣発足後の10月2日の会見。安倍晋三首相は全世代型社会保障への改革に注力する考えを強調した。

 実は政権が掲げる全世代型社会保障の意味するところは変化している。安倍首相は昨年9月の会見で、2019年10月に予定する消費増税分の使途を見直し、一部を教育無償化などに充てる理由に全世代型社会保障への転換を挙げた。この時は消費増税による景気落ち込みを防ぐための政策転換を正当化し、衆院解散の大義名分とする目的でこの表現を用いたのが実情だった。政府関係者は「給付や負担の見直しなどの扱いは固まっていなかった」と話す。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り1270文字 / 全文文字

日経ビジネス電子版有料会員なら

人気コラム、特集…すべての記事が読み放題

ウェビナー日経ビジネスLIVEにも参加し放題

バックナンバー11年分が読み放題

この記事はシリーズ「ニュースを突く」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。