
鈴木 哲也
すずき・てつや
百貨店業界が大きな転換期にある。訪日客と富裕層の消費に支えられているが、中間層向けの商いはさえず、地方では閉店が続く。大衆を足場とする「日本型百貨店」の終焉が近づいている。
地方や郊外にある百貨店の閉鎖が続いている。今春、西武船橋店(千葉県船橋市)、伊勢丹松戸店(同松戸市)が閉鎖したのに続き、名古屋市では400年以上の歴史がある老舗の丸栄が6月に閉店した。九州が地盤の井筒屋は今夏、北九州と山口県宇部市の計3店舗を来春までに順次閉鎖する方針を発表した。
アパレル商品の販売不振や主要顧客の高齢化など様々な要因があるが、業界は厳しさ一色かと言えば、そうでもない。日本百貨店協会がまとめた2018年1~6月の累計売上高は、東京地区では前年同期比1.7%増、大阪地区は同7.3%増と、都市部は堅調だ。
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