国際
菅原 透
すがわら・とおる
本誌副編集長。日本経済新聞社企業報道部、広州支局、上海支局などを経て現職。

 米国が通商法301条に基づき、中国による知的財産権侵害を対象に調査に入った。一方で個人の決済データの扱いを巡った攻防も始まっている。日本も人ごとではいられない。

 トランプ米大統領の指示を踏まえて米通商代表部(USTR)が通商法301条に基づいて始めた今回の調査。中国が不公正な条件下で米国から先端技術を取り込み、製造業の質を高めて輸出競争力を増してきたとの疑念が根底にある。中国政府主導の米企業買収や中国政府による米企業へのハッカー行為を通じた技術移転も調査対象となる。

 もっとも、トランプ政権側には核開発を急ぐ北朝鮮に影響力を持つ中国を通商面で揺さぶり、北朝鮮問題で協力を取り付けようとの思惑もちらつく。最終的な判断には1年ほどかかる可能性もあり、トランプ政権が通商面でどこまで本気で中国に圧力をかけようとしているのか、見えにくい面もある。