国際
菅原 透
すがわら・とおる
本誌副編集長。日本経済新聞社企業報道部、広州支局、上海支局などを経て現職。

 米国との貿易戦争の真っただ中にある中国が、米国以外の国・地域からの輸入拡大にまい進している。自国経済への影響を最小限にすることだけが狙いではない。もう一つの野望が透ける。

 「中国に送る商品をかき集めろ」。中国の国有企業の海外拠点に今、こんな号令がかかる。「今年中に1000億円分の日本商品を買うから用意してほしい」。日中貿易関係者は、中国の国有企業からこんな要請を受けたと明かす。

 きっかけは中国国務院(政府)が7月2日付で出した通知だ。行政手続きの簡素化や自由貿易協定の推進などを通じて、中国の産業高度化や生活水準向上に役立つ商品の輸入を後押しする。そのために商務省や税関当局といった貿易にかかわる部門のみならず、国家発展改革委員会など産業政策をつかさどる機関や部門に必要な措置を取るよう求めた。国有企業の海外拠点にかかった号令もその一環だ。

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