企業決算
山川 龍雄
やまかわ・たつお
本誌編集委員兼BSジャパン「日経プラス10」キャスター。NY支局長、本誌編集長などを経て現職

 前期決算の勝ち組には、国内を主力市場とする企業が多い。海外に打って出るのが唯一の道ではない。浮き沈みの激しいウサギよりも、内需でしっかり稼ぐカメの歩みに着目したい。

 2016年3月期決算がほぼ出そろった。日本経済新聞の調査では、上場企業の2016年3月期は、4年ぶりに経常減益に転じた。そんな状況下でも最高益を更新した企業が全体の約2割を占める。およそ5社に1社という割合だ。

 目立つのが、国内を主力市場とする内需系企業である。高齢化や、インバウンド(訪日客)消費、資源安などを追い風に、好決算となった企業が多い。一方、電機や自動車などの輸出企業の業績には、新興国景気の減速や円高が逆風となり、ブレーキがかかった。

 これは4年前の光景と似ている。東日本大震災が影響した2012年3月期も経常最高益を更新した東証1部上場企業のうち、7割近くが国内売上高比率が9割以上の“内弁慶”企業だった。

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