1回の充電で走れる航続距離が400kmに延びた新型EV「リーフ」。通勤やちょっとした買い物など日常生活で使う分には十分な性能だ。実現させたのは、大幅に性能が向上した車載電池だけではない。走行時に受ける空気抵抗をどれだけ減らすことができるか。EVの持ち味である静粛性を追求する上でも欠かせない技術課題だ。デザイン面の制約を受けながら、開発現場では地道な作業が続いた。

日産グローバルデザインセンター(神奈川県厚木市)は、カルロス・ゴーンが1999年に日産自動車にやってきてから切望し、2006年にようやく完成させたデザインの「夢の城」だ。
白を基調にした3階建て。1階には特殊な粘土(クレイ)で車体モデルを手造りしてデザインの機能や美しさを検証する「モデル場」、2階にはデザインオフィスが設置されていた。
モデル場は天井が2階までの吹き抜けになっていて、2階のデザインオフィスの窓からいつでもモデルが見えるようになっている。新型リーフの発売を約2年後に控えたある日、このモデル場で2人の男がもめていた。
この記事は会員登録で続きをご覧いただけます
残り2672文字 / 全文文字
-
「おすすめ」月額プランは初月無料
今すぐ会員登録(無料・有料) -
会員の方はこちら
ログイン
日経ビジネス電子版有料会員なら
人気コラム、特集…すべての記事が読み放題
ウェビナー日経ビジネスLIVEにも参加し放題
バックナンバー11年分が読み放題
Powered by リゾーム?