前回までのあらすじ

 藤田俊雄が率いるスーパーマーケットチェーン、フジタヨーシュウ堂は着々と出店を進め、売上高100億円を突破する規模へと成長する。躍進の一端を担ったのが、採用や出店、さらに宣伝などで大きな役割を果たした大木将史だった。慎重な性格の俊雄は、物怖じせず挑戦する将史に、自分とは異なるリーダーの資質を見る。一方、小売業界では大型店に対する見方が厳しくなっていた。

 将史が言った誘い文句の中でかつての部下たちの心を捉えた言葉がある。それは「オーナーはうるさくないから。好きに仕事ができるぞ」だった。

 東亜出版販売のような長い歴史の中で作られた会社と違って、フジタヨーシュウ堂のように俊雄というオーナーがいる会社は、一般的にサラリーマンにとって働きにくいと思われている。