前回までのあらすじ

 「スーパーマーケットの時代が来る」──。米国の流通を視察して、そう確信した藤田俊雄は四井銀行の融資を受け、ヨーシュウ堂のチェーン展開を進めるが、人材確保が大きな課題だった。そんなときに大木将史がヨーシュウ堂にやってきた。テレビの将来性に着目した大木は、番組制作会社設立を計画。ヨーシュウ堂に出資を依頼するつもりだったが、幹部から入社を勧められ、俊雄と会う。

3

 ──変わった男だ。というより非常に興味深い。

 俊雄は、社長室に戻りながら、先ほど会った大木将史のことを考えていた。

 人材が欲しいと、多くの社員を雇った。将史もそのうちの1人だ。田中が、「面白い男がやってきました。出版の取次店の社員ですが、その会社を辞めて独立したいというんです。それならうちに入ってから独立を考えたらどうかと入社を勧めたんです。その気になりましてね。社長、ぜひ会ってみてください」。

 「誰かの紹介なのかね?」