前回までのあらすじ

 北千住のスーパーマーケット、ヨーシュウ堂の社長である藤田俊雄は、米国のスーパーマーケットを視察し、自らもチェーンストア化に乗り出すことを決意する。だが出店費用の融資を頼んだ四井銀行からは担保不足を指摘される。悩む中、出店用地借り入れの交渉に当たる古参社員の保夫が「地主が土地を担保として提供してくれるのではないか」と思いがけない解決策を口にした。

 俊雄は保夫をじっと見つめた。期待を込めた目つきだ。なにか前向きなことを言ってくれと目が語っている。

 「あの地主なら、ヨーシュウ堂のことを分かってくれる気がします。すごく信用してくれていますから」