東芝の半導体子会社「東芝メモリ」の2兆円買収を主導したことで日本でも一躍、名をはせた。企業を買収し、成長させた上でより高値で売却する投資ファンドだが、競合とはやり方が一味違う。出すのは「カネ」と「口」だけにあらず。投資先が成長しないと実入りもない現実が本気の改革を生む。
新潟県南魚沼市の上越線六日町駅近くにある家賃6万円のワンルームマンション。ここに今年3月まで2年間住んでいた意外な人物がいる。米投資ファンド、ベインキャピタルのエグゼクティブヴァイスプレジデント、中浜俊介氏。単身赴任で子供の出産にも立ち会う暇がなかったという中浜氏のもう一つの顔は、きのこ大手「雪国まいたけ」の常務取締役(当時)。マンションから雪国まいたけ本社まで10分歩いて通勤する日々を送っていた。
ベインは2015年に雪国まいたけに投資した。「まいたけ」という主力商品には競争力があるのに、当時の同社は創業家絡みのお家騒動や営業部隊と生産現場の反目など組織が崩壊していた。逆に言えば、組織を立て直せば会社は復活する。そうにらんでの投資だった。再建のためにベインが送り込んだのが中浜氏だった。
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