人手不足に悩む多くの企業が効率化の切り札として頼る機械メーカーがある。設計図を描かない独自の製造技術と開発体制で、顧客企業の難しい要求に応える。コストを抑えて素早く作りながら利益を出せるのは、技術者個人に徹底したコスト管理を課しているからだ。

「素早い開発と柔軟な改造への対応力。あの会社と一緒に開発したから、生産拠点の立ち上げが間に合った」。日産自動車バッテリー生産技術部の勝雅彦部長がそう話すのは、京都市に本社を構える生産機械メーカーの京都製作所だ。
日産は電気自動車「リーフ」などに搭載するバッテリーを作る英国・米国の工場で、京都製作所と共同で作った機械を使っている。「セル」と呼ばれる部品を組み立てる機械で、「やわらかく薄い材料を扱う。少しのズレやシワなども許されない、電池の性能に関わる難しい工程」(勝部長)だ。試作と仕様検討だけでも1年半かかりそうな案件だったが、1年で完了。2012年の生産開始に間に合った。その後も京都製作所は、バッテリー容量の拡大に伴う機械の改造などを手掛けたという。
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