スマートフォンだけでなくパソコンの記憶装置としてもフラッシュメモリーが主体となってきた。HDDの役割は終わった感があるが、データセンターなどでは引き続き需要は残る。米ウエスタンデジタルがライバルに先行して、大容量化に適した新記録方式を開発した。

 「HDDはNANDフラッシュメモリーに駆逐されるんじゃないか。しばらく前には、そう思っていた。今は、当面はすみ分けられるだろうと考えている」。HDDメーカーから、こうした声が漏れ始めている。2016年から17年にかけて、NANDフラッシュメモリーの供給不足でHDDの需要が持ち直したことが一因だ。もう一つの理由は、HDDでなければならない用途が、少なくとも今後5〜10年は継続するとの予測である。

HDDは記憶階層の一番下に
●図1 インターネットに接続する機器の外部記憶装置
パソコン、携帯端末、家電製品そしてIoT機器などの外部記憶装置は今後、 NANDフラッシュメモリーや、それを組み込んだSSDに切り替わる。一方、容量 の大きな企業の情報システムやデータセンターでは、すべてのデータをSSDに 保存するのはコスト面から難しい。頻繁に使わないデータは、記憶階層の1段 階下にある、「ニアラインストレージ」と呼ばれるHDDに保存される見込みだ(写真=背景:Saul Gravy/Getty Images)

 各社が期待するのは、「ニアラインストレージ」と呼ばれる使い方だ(図1参照)。コンピューターの記憶階層では、主記憶や外部記憶よりもさらに下に位置する。従来HDDが担ってきた外部記憶装置の座は、幅広い機器でNANDフラッシュメモリーや、それを内蔵したSSDに奪われつつある。