空気を入れる必要のない「空気レスタイヤ」の開発が熱を帯びている。樹脂製のスポークで車両の重さを支え、地面の凹凸から受ける衝撃も吸収する。来るべき自動運転・EV社会に向け、足元のタイヤも姿を変えようとしている。

今秋の東京モーターショー。EV(電気自動車)など最先端の自動車を披露する展示会にあって、“自転車”が注目を集める一角があった。群がる来場者の視線の先にはタイヤ。ただしそのタイヤは見慣れた「丸くて黒いゴムのかたまり」ではなく、真っ赤な色をした樹脂が、ホイールから放射状に伸びている。ブリヂストンが開発した空気レスタイヤ「エアフリーコンセプト」だ。
●空気入りタイヤの断面イメージ図

見た目は奇抜だが、試乗した人は口々に「至って普通だね」とつぶやいた。だがそんな淡白な感想も、開発担当者にとっては何よりのほめ言葉になる。空気を使わないタイヤを実用化できれば、タイヤ史に刻まれる大きな転換点になるからだ。
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