人間の感情を認識するAIの開発に乗り出す企業が相次いでいる。感情には正確な「答え」が存在せず、AIを成長させるためのデータの収集が難しい。データの解析方法などを工夫して、部分的にヒトの能力を超えるAIが登場し始めた。

トヨタ自動車のコンセプトカーに搭載されたAIは、ドライバーが眠気を自覚する前に音楽を流すなどして覚醒を促す(写真=稲垣 純)

 トヨタ自動車は今秋の東京モーターショーで、感情認識AI(人工知能)「Yui(ユイ)」を搭載したEV(電気自動車)を展示した。ユイは昨年設立した米国子会社、トヨタ・リサーチ・インスティテュートが開発。運転手の気分に合ったドライブコースなどを提示する。

 開発担当者の井戸大介氏は「ドライバーの表情を観察し、早期に眠気を検知するのが目玉の機能だ」と説明する。あくびなどで本人が眠気を自覚する前に、ユイが兆候を検知。音楽をかけるなどして覚醒を促して、事故を未然に防ぐという。なぜこんなことが可能なのか。