機器同士をかざすだけで通信できる近接無線通信規格「TransferJet(トランスファージェット)」。現在策定中の次世代規格では通信速度が大幅に高まり、タッチする必要もなくなる。改札機やゲートを通過するだけで情報を提供できるので、新たなサービスにもつながりそうだ。

通信速度を上げ 電波の指向性を高める
●タッチレスゲートのデモ
ソニーは次世代仕様の近接無線通信規格「トランスファージェットX」の策定作業を進めている。JR東日本や日本無線と共同で、独自のアンテナ技術を利用した改札機「タッチレスゲート」も試作した。ICカードを改札機にかざすことなく、トランスファージェットX対応のスマホを持っているだけで改札を通過できる。通過と同時に、各種情報をスマホに送信できる

 ソニーが近接無線通信規格「TransferJet(トランスファージェット)」の普及に再び挑む。次世代仕様である「トランスファージェットX」と独自のアンテナ技術を組み合わせて、産業分野への応用を狙っている。

 その応用先の一つが鉄道分野だ。ICカードを改札機にかざすことなく通過できる、タッチレスの新型改札機を東日本旅客鉄道(JR東日本)や日本無線と試作した。

 トランスファージェットはもともとソニーが開発した無線技術で、2008年に発表した。その後、普及に向けて松下電器産業(現パナソニック)やキヤノンそしてニコンなど大手メーカーも参加してコンソーシアムを立ち上げた。だが、既に広く普及していた無線LANを凌駕することはできなかった(下の囲み記事参照)。