30代以上の女性の7割が悩むとされる肌の「シワ」を改善する技術が登場した。ポーラは真皮の成分の分解を阻害する成分を発見、資生堂は真皮成分の産生を促す。厚生労働省が「医薬部外品」として認可したことで、技術開発が加速しそうだ。

シワ、なぜできる?
28年間トラック運転手を続けた69歳の男性。太陽光にさらされ続けた顔左半分にシワが多くできた(写真=Gordon JR,N Engl J Med. 2012;366(16):e25)
原因
発生
コラーゲンやエラスチンなどの量が減少

 年齢を重ねるにつれて深く刻まれていく顔の「シワ」。若々しさを保ちたい人にとって悩みの種だが、まるで時間を巻き戻すかのように、シワを「改善」できる技術が相次いで登場した。

 先陣を切ったのが、ポーラ・オルビスホールディングス(HD)傘下のポーラだ。今年1月に薬用美容液の「リンクルショット メディカル セラム」を発売すると、わずか1カ月で約36億円の売り上げを達成。10カ月経過しても勢いは衰えず、今年の化粧品業界を代表するヒット商品となった。6月には資生堂も化粧品の「エリクシール」シリーズで追随し、シワ改善が大きなブームになっている。

 シワができる原因は、ある程度判明している。根本原因となる場所は、皮膚内部で肌組織の大半を占める「真皮」だ。主に繊維状のタンパク質であるコラーゲン、弾力性を保持するためのエラスチン、水分を保護するヒアルロン酸といった成分で構成される組織だ。

 肌が紫外線を浴びたり乾燥したりすると、真皮を構成する成分が分解される。通常、分解と同時に産生も進むが、加齢などに伴い産生が追い付かなくなる。すると、目尻や口元など収縮を繰り返す場所に「癖」がつくように残るようになる。これがシワだ。

 ポーラが着目したのは、白血球の一種が分泌する酵素「好中球エラスターゼ」だ。紫外線などで真皮が炎症を起こすと、それを「傷」だと判断して好中球エラスターゼが集まり、真皮成分の分解を開始することを突き止めた。