アプリが医師の代わりに

 サスメドが想定するサービスの概要はこうだ。まず医師が医薬品と同じように患者にアプリを“処方”する。患者はアプリに、ベッドに入る前の行動や不安に感じている事柄、ベッドに入った時間などを記録する。アプリにはあらかじめ、医師が監修した対応策が登録されている。患者の記録内容を基にアプリは、その患者にふさわしい対応策を自動的に選び出して通知する。

 例えば、早く寝ようと夕方からベッドに横になっていた患者がいたとする。ベッドに入ってもなかなか寝付けないことがストレスとなり、逆に目がさえて眠れなくなっていた。こうした患者にはアプリが、「3時間程度、ベッドに入る時間を遅らせて」と助言する。

 携帯機器アプリを活用した事例は他にもある。帝人の傘下で睡眠関連サービスを手掛けるベンチャー、ねむログ(東京都千代田区)は、アプリと組み合わせて使うウエアラブル機器「ツーブリーズ」(税別2万円)を販売している。開発したのはイスラエルのベンチャー、ツーブリーズ・テクノロジーだ。

 機器はもともと、高血圧の治療機器として米食品医薬品局(FDA)の承認を得た商品だった。センサーのついた伸縮性のあるベルトを腹部に巻くと、呼吸による腹部の動きを感知。そのデータが有線で音響機器に伝わり、正しい呼吸を誘導するための音楽を流す。例えば、ユーザーが早くて浅い呼吸をしていたら、ゆっくりと息を吸ったり吐いたりできるようにテンポの遅い音楽を流してくれる。

 深呼吸を繰り返すと副交感神経が優位になってリラックスし、全身の毛細血管が開くという。そうすることで血圧を下げるのが本来の目的だったが、思わぬ「副作用」があった。深く長い呼吸を繰り返すうちに、利用者が次々と眠りに落ちていったのだ。

 ツーブリーズ社はここに目を付け、データを無線でiPhoneやiPadに送れるように改良した商品を作った。これをねむログが輸入して3月から販売している。なお、日本で医療機器の認可を得ていないため睡眠改善の効果を直接的に訴えることはできないが、「仕事の合間や昼休みなどのちょっとした時間にリラックスする効果を望める」(ねむログの濱崎洋一郎・代表取締役)。

深呼吸しやすいよう音でガイドする
●「ツーブリーズ」の使用イメージ
深呼吸しやすいよう音でガイドする<br>●「ツーブリーズ」の使用イメージ
使用者が眠ってしまい、音のガイドに従わない呼吸を繰り返すと自動で電源が切れる
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