今年6月18日、欧州や日本で電子ミラーが解禁された。ドアミラーやルームミラー(後写鏡)の代わりに、カメラとディスプレーで周囲を確認することが認められた。「期待は非常に大きい。実用化の時期は明言できないが、開発を進めているところだ」。日産自動車で空力技術を担当する技術者は、興奮気味に電子ミラーの解禁を歓迎した。

 先ごろ、国際連合欧州経済委員会(UN/ECE)が定める、後写鏡に関する規則「Regulation No.46」(以下、R46)の改訂作業が完了した。これを受けて日本も今年6月、道路運送車両の保安基準を改正。これにより、「基準を満たせば、従来の後写鏡を搭載しない、電子ミラーだけのクルマを公道で走らせてもよい」(国土交通省自動車局技術政策課車両安全対策調整官の村井章展氏)ことになった。

「Regulation No.46」ではカメラで確認すべき範囲や表示までの遅延時間、ディスプレーの設置位置などを定めている。日本の保安基準も2016年6月18日に改正された

 UN/ECE規則改訂の議論自体は2012年ごろから始まっており、自動車メーカーは開発を進めてきた。特に積極的なのが欧州勢だ。日本でもトヨタ自動車が、2015年に発表した小型のコンセプト車「LEXUS LF-SA」でドアミラーを電子化した。

 期待感が高まっている電子ミラーだが、規則・基準の整備完了に伴い、すぐに自動車メーカーが量産に乗り出すわけではない。乗り越えるべき課題が残っており、各社が目指す量産化のターゲットは2018年ごろだ。