これまでの常識を覆す、軽くて柔軟性に富んだ太陽電池が相次いで登場している。糸状に加工して生地などに織り込むことで、自由自在に曲げられるようになる。衣服やカーテンなど、身の回りの様々なモノが「発電所」になろうとしている。

太陽光で発電する生地
●福井県工業技術センターが開発した新型電池
「太陽光発電糸」を横糸にして、縦糸とともに織り込んだ生地。柔軟性と伸張性を兼ね備えた発電する生地を作れる(写真=2点:スタジオキャスパー)

 住宅の屋上や日当たりの良い広大な土地で、誰もが目にするようになった太陽光パネル。現在の主流はシリコンの結晶を原料としたもので、太陽光を電気エネルギーに変える「変換効率」は20%を超える。

 一方、シリコンの太陽電池には弱点がある。シリコン自体の重さや屋外で耐久性を持たせるための強化ガラスによって、必然的に重くなる。パネルの重量は1平方メートル当たり10~20kgだ。容易に曲げられないのも難点。その結果、設置できる場所が限られる。

 こうした問題を克服すべく、新たな太陽電池の開発競争が熱を帯び始めた。太陽電池が「曲げられる」ようになれば、自動車の窓などにも装着できる。さらに「畳める」太陽電池が実現すれば、衣服やカーテンなど、これまで想像すらしなかった場所で発電できるようになる。身の回りのあらゆる「モノ」が電気を生み出せるようになるわけだ。