建設現場、保険調査、社員教育──ビジネス向けVR(仮想現実)の市場が拡大している。VRの利点を生かせば場所や危険性、コストなど現実世界の様々な制約を克服できる。娯楽用の「玩具」から、企業に不可欠な「道具」へと進化している。

現地映像を手がかりに重機を遠隔操作
●大成建設の「T-iROBO Remote Viewer」利用時の様子
(写真=中央、右:大成建設提供)

 HMD(ヘッドマウントディスプレー)の映像を見ながら、最大2km離れた工事現場にあるショベルカーなどを遠隔操作する。大成建設は2016年10月、VR(仮想現実)を活用した建設重機の遠隔操作支援ツール「T-iROBO Remote Viewer」を開発した。

 重機に取り付けた魚眼カメラの映像を受信・加工してHMDに表示する。HMDを着けたオペレーターが上下左右に顔を振れば、その動きに映像もリアルタイムで追随する。まるで現場にいるかのような感覚で土砂を掘削したり撤去したりできる。実際に操縦席で操作する場合と比べ、重機の動作の誤差はわずか数cmしかない。