電気を「圧縮空気」や「熱」に変換する「次世代型蓄エネルギー技術」の開発が進む。風力などの再生可能エネルギーは、天候で発電量が急変するため、電力系統に負担がかかる。蓄エネ技術を使えば、安定した発電が可能になり、再エネの普及を加速させることができる。

神戸製鋼所などが4月に運転を開始した「圧縮空気エネルギー貯蔵システム(空圧電池)」の実証設備(静岡県河津町)

 伊豆半島東部、太平洋を望む温泉地として知られる静岡県河津町。市街から車で15分ほど、山間の急峻な道を進むと突如、白い柱状のタンク群が眼前に現れる。高さ11m、直径2mの細長いタンクが52基、整然と立ち並ぶ。その中は、大気の10倍(10気圧)に圧縮した空気で満たされている。

 神戸製鋼所とエネルギー総合工学研究所(IAE)、そして早稲田大学が今年4月に運転を開始した「圧縮空気エネルギー貯蔵システム」の実証設備だ。ここでは、大量の電気エネルギーを「圧縮空気」の形で蓄えておき、必要な時に取り出す、大規模な次世代型「蓄エネルギー」技術の研究を進めている。