高齢化社会に伴い、増加しているものが「紙おむつ」だ。廃棄量が増えるにつれ、リサイクルへの取り組みが進んできた。おむつをリサイクルし、またおむつに戻す技術も実現が近づきつつある。

おむつもリサイクルの 時代へ
●おむつのリサイクルの主な工程
(写真=左2点:アフロ/右上:スタジオキャスパー)

 「このおむつは、おむつを再生したパルプを使っています」。こんな表示が添えられたおむつが登場する日も近いかもしれない。おむつをリサイクルする技術は、着実に進化している。

大人用紙おむつの生産量は右肩上がり
●大人用紙おむつの国内生産量

 少子高齢化にもかかわらず、なぜ日本でおむつのリサイクルが注目を集めているのか。それは、大人用おむつ市場の拡大が理由だ。日本衛生材料工業連合会の統計によれば、2016年の大人用紙おむつの国内生産量は約74億4400万枚で、重さにして約34万トン。近年は6~10%の伸び率で成長している。国内メーカーのおむつ生産は、輸出も多いため、現時点では大人用の生産量は乳幼児用の約半分。一方、大人用の価格は乳幼児用の約2~2.5倍だ。売り上げベースでは乳幼児用を抜いている可能性もある。

 一言でおむつといっても、赤ちゃん用のように、パンツ型、テープ型だけではない。パッド型というシート状のものや軽失禁用の小さめのパッドもある。特に「最近は、60歳を過ぎても若々しい方が多く、軽い尿漏れはあっても、活動的に外出をするといった方が増えている」(ユニ・チャーム広報)。利用者は人間だけにとどまらない。いまや、おむつは飼い犬などペットにも着用させる時代。全体としての市場は右肩上がりで成長を続けている。

 現在、紙おむつは、一般ゴミや産業廃棄物として焼却処理をしているケースがほとんど。ただし、水分を多く含む使用済み紙おむつは、焼却処理の負担も大きいともいわれる。炉内の温度低下を防ぐために補助燃料を使用すれば、焼却炉を傷める要因となりかねないからだ。

 衛生面における心理的なハードルも相まって、使用済みのおむつをリサイクルするという機運はなかなか高まってこなかった。それが、滅菌技術や素材の分離技術の進歩により、最近では、新品パルプ同様の上質パルプの製造が可能になりつつある。使用済みおむつから新しいおむつを生み出すというリサイクルが、現実味を帯びてきたのだ。