チェスや将棋で人間を凌駕するようになったAI(人工知能)。「最後のゴール」とされる囲碁で、人間の頭脳の限界に迫ろうとしている。米IT大手も開発競争に参入。ビッグデータ解析を応用し、進化に拍車がかかる。

ゲームを舞台にした人工知能VS人間の歴史
アルゴリズムの洗練とコンピューター性能の向上で、人工知能が人間に迫ってきた
<b>ゲームを舞台にした人工知能VS人間の歴史<br/ >アルゴリズムの洗練とコンピューター性能の向上で、人工知能が人間に迫ってきた</b>
電気通信大学の伊藤毅志助教の協力で作成
(写真:Steve McAlister/Getty Images)
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 AI(人工知能)が人間を超えることを指す「シンギュラリティ(技術的特異点)」。それは未来の話などではなく今、着実に起きつつある現実だ。

 「コンピュータ将棋プロジェクトの終了宣言」。昨年10月、情報処理学会が出した宣言は、将棋という頭脳ゲームの分野がシンギュラリティに到達したことを示した。プロジェクトを率いてきた公立はこだて未来大学の松原仁教授(人工知能学会会長)は「AIは過去数年、プロ棋士に勝ち越せる腕前を証明してきた」と、理由を説明する。羽生善治四冠や渡辺明二冠といったトップ棋士との直接対決こそ実現しなかったが、研究者の間では「将棋AIが確実に有利」との見方が大勢を占める。

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