最先端テクノロジーが拓く未来はどのようなものだろうか。社会への普及が期待される、注目すべき技術のトレンドを紹介する。
シリーズ
テクノスコープ

完結
95回
-
HDDは死なず、容量拡大続く
スマートフォンだけでなくパソコンの記憶装置としてもフラッシュメモリーが主体となってきた。HDDの役割は終わった感があるが、データセンターなどでは引き続き需要は残る。米ウエスタンデジタルがライバルに先行して、大容量化に適し…
-
パンクを過去の遺物に
空気を入れる必要のない「空気レスタイヤ」の開発が熱を帯びている。樹脂製のスポークで車両の重さを支え、地面の凹凸から受ける衝撃も吸収する。来るべき自動運転・EV社会に向け、足元のタイヤも姿を変えようとしている。
-
息でストレスや飲酒を見抜く
吐く息に含まれるごく微量のガス成分を高感度に検知するのが呼気センサーだ。近い将来、酒気帯びだけではなく生活習慣病の診断にも使われるかもしれない。スマートフォンと組み合わせれば、血液検査よりも簡便に身体情報を確認できる。
-
全ての壁を「画面」に変える
ランプ式より寿命が長く、色がきれいな「レーザープロジェクター」が相次いで登場した。メンテナンスの手間を省け、設置場所を問わないためメーカー各社が競って開発している。
-
バクテリアがひび割れを修復
強度に優れ、加工もしやすいコンクリートはひび割れしやすいという弱点を抱える。バクテリアを混ぜて自己治癒能力を持たせたコンクリートをオランダ・デルフト工科大学が開発。バイオ技術を建設分野に生かす融合研究は、愛媛大学でも成果…
-
ヒトよりも「空気」を読める
人間の感情を認識するAIの開発に乗り出す企業が相次いでいる。感情には正確な「答え」が存在せず、AIを成長させるためのデータの収集が難しい。データの解析方法などを工夫して、部分的にヒトの能力を超えるAIが登場し始めた。
-
改札でタッチ、もう不要に
機器同士をかざすだけで通信できる近接無線通信規格「TransferJet(トランスファージェット)」。現在策定中の次世代規格では通信速度が大幅に高まり、タッチする必要もなくなる。改札機やゲートを通過するだけで情報を提供で…
-
石炭を代替する“水素長者”
水素を多く含み、燃えても二酸化炭素を排出しないアンモニア。腐食性などが課題だったが、技術革新でこの「水素長者」が燃料として使えるように。石炭火力発電所や燃料電池などで、既存エネルギーを置き換える動きが出始めた。
-
「あの頃」の肌を取り戻す
年齢を重ねるにつれて深く刻まれていく顔の「シワ」。若々しさを保ちたい人にとって悩みの種だが、まるで時間を巻き戻すかのように、シワを「改善」できる技術が相次いで登場した。
-
意外に高かったヒトの壁
コンビニのメーン商材である弁当は使用する具材の種類も多く、盛り付けにも人手を要してきた。三菱商事はグループ会社の協力を得て、盛り付けロボットの開発に注力している。だが、最新のロボット技術を投入しても複雑な人の動きを再現す…
-
レール下部構造を迅速診断
レールを支える下部構造を適切に保守できなければ、安全性はおろか乗り心地も悪くなる。だが、不具合を発見するための検査や補修作業は夜間にやらざるを得ない。JR西日本やJR東日本は効率的な保線技術を導入して、人手不足を克服しよ…
-
顔がすべての「鍵」になる
瞳と瞳の間隔やほくろの場所など、一人ひとり違う「顔」の特徴を使って本人を特定する。新型iPhoneにログインするための「鍵」として使われ、コンビニやマンションにも普及が進む。移動中の群衆など、厳しい環境でも顔を識別できれ…
-
スパコン超える夢の計算機
2018年度予算の概算要求に32億円──。文部科学省による「量子コンピューター」に向けた集中投資が話題を呼んでいる。10年で数百億円をつぎ込む予定だが、欧米では既に桁が違う資金が動き始めている。
-
がん組織を光らせるスプレー
「こんなことができるのかと驚いた」。済生会福岡総合病院外科医長(乳腺外科)の上尾裕紀氏はその瞬間をこう振り返る。同氏の父で、うえお乳腺外科(大分県大分市)院長の上尾裕昭氏、九州大学病院別府病院外科教授の三森功士氏とともに…
-
フサフサの髪を取り戻す
年のせいだから仕方ない──。毎朝、鏡を見て、薄くなっていく頭髪に嘆息する中高年男性は少なくないだろう。
-
現実世界の制約を克服する
建設現場、保険調査、社員教育──ビジネス向けVR(仮想現実)の市場が拡大している。VRの利点を生かせば場所や危険性、コストなど現実世界の様々な制約を克服できる。娯楽用の「玩具」から、企業に不可欠な「道具」へと進化している…
-
古いオフィスを「賢く」改造
多くの人々が働くオフィスビルが、「IoT」の進展によって賢く生まれ変わる。複数のセンサーを駆使し、消費電力の削減やメンテナンスの効率化などを実現。IT大手だけでなく、家具商社やゼネコンなどがビジネスチャンスとみて参入を急…
-
震度6強でも花瓶が倒れず
震度7が連続して襲った熊本地震でも、免震装置を導入した建物の被害は軽微にとどまった。振り子の原理を利用した鉄の免震装置が登場し、従来の免震ゴムも改良品が相次ぐ。初期費用の高さが課題だが、家財などの損傷を防ぐ効果が評価され…
-
センサーで選手のケガ防ぐ
最近、ブラジャー型装具を身に着けているプロサッカー選手を目にすることが増えてきた。内部に各種センサーを搭載したデバイスが入っており、運動の「量」と「強度」を定量化できる。スポーツセンシングを活用すれば選手を科学的に強化し…
-
改ざん防ぐ、安価なシステム
仮想通貨の基盤技術である「ブロックチェーン」が、幅広い産業で使われ始めた。データの改ざんが難しく、安価にシステムを構築・運用できるのがメリットだ。金融だけでなく食品流通や不動産、貿易など様々な分野で企業が相次ぎ採用してい…
おすすめのシリーズ
-
小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明
「ピース・オブ・ケイク(a piece of cake)」は、英語のイディオムで、「ケーキの一片」、転じて「たや…
-
徹底予測2021年 底打ちか奈落か
日本経済の節目の年として幕を開けた2020年は、誰もが予想できない最悪の1年となった。すべての始まりはコロナ禍だ…
-
クルマ大転換 CASE時代の新秩序
総付加価値額が450兆円ともされる自動車産業の構造が変わり始めた。GAFAやEVスタートアップ、ソニーなどが新た…
-
不屈の路程
話題の経営者や気鋭の起業家はいかにして自らの経営を確立するに至ったのか。そこにたどり着くまでの道のりは決して順風…
-
菅野泰夫のズームイン・ズームアウト欧州経済
ロシアを足掛かりに、欧州経済・金融市場の調査を担当して、既に十数年の月日がたちました。英国の欧州連合(EU)離脱…
-
1000年企業の肖像
日本は創業100年以上の企業が多くあり、世界一の長寿企業大国として知られる。その中には創業1000年を超えると伝…
-
10 Questions
いま、世の中で起こっていること。誰もが知りたいと思っていること。でも、ちゃんと理解できていないこと。漠然と知って…
-
河合薫の新・社会の輪 上司と部下の力学
上司と部下が、職場でいい人間関係を築けるかどうか。それは、日常のコミュニケーションにかかっている。このコラムでは…
-
ファクトフルネス思考
「データを基に世界を正しく見る習慣」を紹介した書籍『ファクトフルネス』は、日本で90万部を超えるベストセラーとな…
-
大西孝弘の「遠くて近き日本と欧州」
日本の読者にとって欧州のニュースは遠い国々の出来事に映るかもしれない。しかし、少子高齢化や低成長に悩み、企業の新…
-
グルメサイトという幻
食べログ、ぐるなび、ホットペッパーグルメ──。外食店探しに欠かせない存在となったグルメサイトの地位が揺らいでいる…
-
フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える
この度、故有りましてこの日経ビジネスオンライン上で、クルマについて皆様と一緒に考えていくナビゲーター役を仰せつか…
-
ファストリ、異次元の経営
コロナ禍の混乱からいち早く抜け出したファーストリテイリング。破綻が相次ぐアパレル業界にあって、なぜユニクロだけが…
-
テスラが仕掛ける電池戦争
日本でも2030年代半ばに新車販売でガソリン車をゼロにする方針が打ち出されるなど、各国の環境規制強化により普及段…
-
70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
全8回