国内外の政治体制や経済の枠組みが大きく変わろうとしている2017年。作家の安部龍太郎氏は戦国時代を経済の激変期と捉え、徳川家康を再評価する。不透明な時代の読み方、対処の仕方を東洋大学教授で元総務相の竹中平蔵氏と語り合った。

(写真=村田 和聡)

安部龍太郎氏(以下、安部):最近、徳川家康を新たな視点で捉え直した作品を出版しました。経済的な視点から捉えると、戦国時代は日本の歴史の中で非常に重要な時代であり、戦国大名には、通説とは別の顔があったという思いを下敷きに、家康を再評価しようと考えたのです。

竹中平蔵氏(以下、竹中):とても面白い視点ですね。第1巻(自立篇)をじっくりと拝読しました。

安部:僕は長い間、戦国時代に対する見方はおかしいと思っていたんですよ。江戸時代に入って以後の史観で語られていることが多い。一つは鎖国史観ですね。戦国時代に対しても鎖国を前提としたような、内向きの論しかないんですよ。

 例えば、その頃、スペイン、ポルトガルが東南アジアに進出してくる。やがてオランダ、英国がそれを追っかける形になります。当然、日本も大航海時代のグローバル化の中に巻き込まれていったはずなのです。

 具体的には鉄砲やキリスト教の伝来とか、それから貿易、外交という形で表れています。そして同じ時期、日本では石見銀山(島根県大田市)から大量の銀が採掘されるようになり、シルバーラッシュが起きました。