韓国人ジャーナリスト、研究者の趙章恩氏が、日本と韓国の文化・習慣の違い、日本人と韓国人の考え方・モノの見方の違い、を紹介する。同氏は東京大学に留学中。博士課程で「ITがビジネスや社会にどのような影響を及ぼすか」を研究している。
趙氏は中学・高校時代を日本で過ごした後、韓国で大学を卒業。再び日本に留学して研究を続けている。2つの国の共通性と差異を熟知する。このコラムでは、2つの国に住む人々がより良い関係を築いていくためのヒントを提供する。
中国に留学する韓国人学生の数が、日本に留学する学生の数を超えた。韓国の厳しい教育競争が背景にあることを、あなたはご存知だろうか?
シリーズ
日本と韓国の交差点

完結
33回
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「完全に新しい韓国」、文在寅大統領への期待
韓国の第19代大統領に文在寅氏が就任した。勝利宣言と就任演説では、朴槿恵前大統領が不正のため弾劾されたことを受けて、「新しい韓国、公正で平等な韓国、不正腐敗なく正直な韓国を作る」と強調した。
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韓国大統領選、安哲秀氏の支持率が上がった理由
韓国大統領選を目前に控え、支持率調査において安哲秀氏が文在寅氏を抜いた。有力な候補を見いだせない保守層が、親米路線を鮮明するとともに、保守党との連携にも柔軟な安哲秀氏を支持し始めたことが背景にある。
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セウォル号が韓国社会に生んだ新たな分断
韓国海洋水産部が3月25日、セウォル号の船体引き揚げに事実上成功した。同号は韓国社会に新たな分断を生み出してきた。高校生らが犠牲になったことに胸を痛める国民がいる一方で、「遺族が真相究明を求めるのは保険金を多くもらうため…
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朴氏の「真実は明かされる」発言に怒り沸騰
韓国憲法裁判所は3月10日、「朴槿恵大統領罷免」を決定した。欧米のメディアもこれを報道。ドイツ紙「Deutsche Welle」は「朴氏の弾劾は民主主義の勝利」との見出しで取り上げた。
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金正男報道は、朴大統領弾劾への興味そらすため?
韓国で、金正男氏と見られる人物が殺害された事件をめぐる報道は、朴槿恵大統領を擁護する「北風」報道との見方が強まっている。「北風」とは、大統領選などで保守系候補への支持を高めるため、北朝鮮の脅威をあおる情報操作のことだ。
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韓国から見た日米首脳会談
日米首脳会談を受け、韓国メディアも同会談の報道一色に染まった。安倍総理の訪米は「朝貢外交」、「日本の軍事力強化を懸念」といった批判的な分析がある一方で、「首脳会談を急いだ安倍総理に学べ」との見方も出ている。
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韓国、高齢化社会だからこそ選挙権を18歳に
1月27~30日まで、韓国は旧正月の連休だった。旧正月には全国各地に住む親戚が故郷に集まり、先祖に茶禮(チャレ、お正月とお盆に行う法事)をする。子供たちは親戚や近所に住む大人に歳拝(セベ、新年のあいさつ)をし、セベッドン…
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潘基文氏、慰安婦問題で「油うなぎ」との批判
国連事務総長を務めた潘基文(バン・ギムン)氏が韓国に帰国。記者会見で、事実上の出馬宣言とみられる発言をした。これを受けて韓国は、大統領戦に事実上突入した感がある。同氏は慰安婦問題に厳しい姿勢を見せたが、前言撤回を批判する…
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韓国、通貨危機以来の低成長予測
259社の韓国企業経営者を調査したところ、経営の壁になるのは「政治・社会の不安」との回答が24.6%と最も多かった。このほか、「民間の消費不振」21.1%、「企業の投資心理萎縮」14.6%、「世界の保護貿易強化」12.9…
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朴大統領の弾劾実現した、市民の電話攻勢
韓国の朴槿恵大統領の弾劾訴追案が可決された。この背景には、ろうそく集会に加えて、国民による電話攻撃があった。訴追案に反対する与党議員に対して、抗議の電話が殺到したのだ。電話番号は、市民の協力行動によってネット上に公開され…
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朴槿恵大統領の談話受け、さらに怒る韓国国民
朴槿恵大統領が11月29日、「大統領の任期短縮や退陣、全てを国会の決定に任せる」との談話を発表した。これを受けて、韓国国民の怒りはさらに高まった。「朴大統領自ら退陣を決めるべき。国会に任せるとは無責任すぎる」との意見が相…
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日韓軍事情報協定めぐり韓国で巻き上がる反対論
日本と韓国が軍事情報包括保護協定(GSOMIA)に仮署名した。2012年には、署名の直前になってお蔵入りになった曰く付きの協定だ。今回は先に進めるのか。朴大統領の地位そのものが危機に瀕する中、韓国では大きな反対が起こって…
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朴大統領側近の不正を暴け、メディアは暴露合戦
朴大統領とチェ・スンシル氏の関係を巡って、韓国が大騒ぎになっている。メディアは不正の暴露合戦を展開。毎日のように新たな不正が暴露されるので、覚えきれないほどだ。
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韓国、不正禁止法で接待が減ると経済に悪影響?
韓国で、不正・腐敗を防止するための「キムヨンラン法」が施行となった。限度額以上の接待や贈り物を受けると罰せられる。この法律が経済にもたらす影響を巡って議論が二分されている。一方は接待が減れば経済が落ち込むというものだ。
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「北の核で24万人が死亡」との試算に驚く韓国
北朝鮮が9月9日、5度目の核実験を行った。今回の爆発規模は大きく、「ソウル市内で爆発すれば少なくとも24万人が死亡する」との試算を韓国国防部が発表した。核武装の議論が熱を帯びるなど、韓国で危機感が増している。
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脱北は「移民型」の時代に
北朝鮮から海外に亡命する「脱北」の質が変わってきている。政治的な理由よりも、「より良い暮らし」を求めるものが増えている。エリート層が、「北朝鮮でいい暮らしができるけど、他の国でもっと自由に暮らしたい」と考え始めたようだ。
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8月15日、韓国の光復節はこう過ぎた
8月15日、韓国は独立を記念する光復節を迎えた。例年のように日韓関係に焦点を当てる報道が多かった。注目されるのは、韓国自身の行動を振り返る内容が多かったこと。例えば、日本が付けた地名を元に戻そうとする運動などが取り上げら…
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韓国がTHAADの配備を星州に決定、住民が猛反発
韓国政府は「THAAD(地上配備型ミサイル迎撃システム)」を慶尚北道星州に配備すると決めた。事前の協議がなかったことから、住民は猛反発している。電磁波が健康に与える影響を懸念する声も上がる。韓国メディアは日本での事例も記…
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韓国、身内の議員秘書採用に大批判
韓国で、国会議員が身内を補佐官に採用することに批判が高まっている。能力がないにもかかわらず身内であるがゆえに採用するケースが頻発している。さらに、こうして採用した補佐官の給与を政治資金として強制的に寄付させている。
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ロッテの裏金疑惑に韓国検察がメス
韓国の検察がロッテグループの捜査に乗り出した。背任と横領の容疑だ。コンビニを運営するなど身近な存在である同グループへの捜査に韓国中が注目している。「政府が経済民主化を進めていることをアピールする策」と見る向きもある。
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