この連載コラムは、拙書『2020年、日本が破綻する日』(日経プレミアムシリーズ)をふまえて、 財政・社会保障の再生や今後の成長戦略のあり方について考察していきます。国債の増発によって社会保障費を賄う現状は、ツケを私たちの子供たちに 回しているだけです。子供や孫たちに過剰な負担をかけないためにはどうするべきか? 財政の持続可能性のみでなく、財政負担の世代間公平も視点に入れて分析します。
また、子供や孫たちに成長の糧を残すためにはどうすべきか、も議論します。
楽しみにしてください。もちろん、皆様のご意見・ご感想も大歓迎です。
シリーズ
子供たちにツケを残さないために、いまの僕たちにできること

完結
7回
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道州制を含む地方分権と「地方庁」構想
急速な人口減少・超高齢化がもたらす影響はこれらか本格的に顕在化する。その現実を直視し、果敢に選択と集中をしない限り、日本に未来はない。そのカギを握るのが国土形成計画や地方庁の創設だ。
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日本も「独立財政機関」を設置せよ
内閣府が発表する「中長期試算」の最新版とその前の版を比較すると、基礎的財政収支の赤字幅(対GDP)が拡大している。「国や地方の税収等」の予測が下方改定された影響が大きい。なぜ、そうなったのか、理由をレビューする仕組みが今…
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日本の保健医療支出は先進国で最高水準の可能性
OECDが衝撃的なデータを公表した。日本の保健医療支出が2015年、OECD加盟35か国中3位(米国とスイスに次ぐ)に急上昇したのだ。厚生労働省はこれまで、医療予算の増額を要求する根拠としてこのデータを利用してきた。その…
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日銀がマネー拡大しても民間融資は増えない
「日銀がマネタリーベース(現金+日銀当座預金)を拡大すれば、民間銀行は貸出を増やす」という主張は、現在の状況では成立しない。理由は2つある。一つは日銀当座預金が超過となっていること。そしてもう一つは…
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日銀が国債買い切っても負担なき財政再建はムリ
日銀が国債を全て買い取れば「国民負担無し」で財政再建が終了する。こんな主旨の言説がネット上で流布している。これは大きな誤解だ。例えば日銀が国債を消却すれば、その分、民間金融機関が保有する預金が毀損する。
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マイナス金利なら、もう日銀に国債は売らない!
日本銀行が日本史上初のマイナス金利を導入した。この仕組みは、実は、銀行に新たな税を課すのに等しい。そして、預金金利をマイナスにすることで預金者に負担を転嫁することは難しい。負担は金融機関が引き受けるしかない。
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2030年代、財政赤字のGDP比は430%超に
ドーマーの命題は「名目GDP成長率が一定の経済で、財政赤字を出し続けても、財政赤字(対GDP)を一定に保てば、債務残高(対GDP)は一定値に収束する」というもの。この命題に日本の現状を当てはめると、債務残高は430%を超…
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70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
全8回