東日本大震災という経験したことのない巨大災害に見舞われて、人類の歴史とは幾多のカタストロフィーを経験し、それを克服してきた歴史なのだということを、あらためて実感しました。「頑張ろう!」と励ましあうことは大事ですが、どう頑張ればいいのかの「道しるべ」が今も求められています。巨大災害の復旧・復興と、今後の防災・減災のために、何が必要で、どんな行動を、どんな研究が求められて、取り組まれているのか。現場取材を中心にそれらを伝えながら、私なりの提案も続けます。また、巨大災害を、「豊かな文明」のありようを大きく変える時ととらえ、日本が世界でもっとも力強い国となれることを信じて、そのシナリオを探ります。
シリーズ
山根一眞のポスト3・11 日本の力

完結
7回
-
豪雪で1500台が立ち往生した“道路事情”
2018年2月6日から福井県嶺北地方は大雪に見舞われた。大きな災害はきちんと検証をしておかなくてはいけないという思いで取材を続けている。災害現場からは多くの教訓が得られるからだ。
-
東京震災、都心を囲む「火炎ドーナツ」に備えよ
糸魚川大火の現地取材は、22年前に訪れた阪神・淡路大震災の取材の記憶を呼び起こした。そして、祖母から聞いた関東大震災の火災の話が思い出された。東京を大地震が襲った時、何が起きるのか、どう備えるべきかを考えたい。
-
被害乗り越え、糸魚川市を「耐火モデル都市」に
兵庫県南部地震から22年。糸魚川大火の現場に立った時、当時の光景が頭の中で重なった。我々は「巨大火災」にいかに対処したらよいのか。「消防革命」と評される消火方法の提唱者、山家桂一さんと話し合った。
-
糸魚川大火、アイスのようにクルマが溶けた猛威
昨年12月22日に発生した新潟県糸魚川市の大火。東日本大震災降、備えるべき巨大災害の第一の関心は巨大地震、津波だった。しかし大規模水害や竜巻、豪雪、巨大噴火、そして大火も忘れてはいけない。出火から4日後、現地を取材した。
-
北九州市緊急消防援助隊隊長に聞く、熊本の現場
「緊急消防援助隊」は阪神・淡路大震災を教訓に、巨大災害時に、行政区分にこだわらず全国の消防機関が応援を迅速に行うことを目指し創設された。熊本地震でいち早く現地入りした北九州消防局の小清水勉隊長に「現場」の話を聞いた。
-
「ドラマ仕立て止めて」神戸の無念、熊本で再び
熊本地震の発生後、多くの報道陣が現地に入り、リアルタイムで報じた。我々は過去の震災で様々な教訓を得たが、課題の改善はなされたのか。21年前の被災者のメッセージを改めて振り返ると、当時の無念が繰り返されていることが分かる。
-
テレビ報道者も間違う「震度最大10」の誤解
熊本地震に関する報道の中で耳にした「震度8の地震が来たら…」。あり得ない言説に唖然とした。私たちは過去の震災から様々なことを学んできたが、まだまだ知るべきことは多い。今回は「震度」について再確認と検討をしておきたい。
おすすめのシリーズ
-
小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明
「ピース・オブ・ケイク(a piece of cake)」は、英語のイディオムで、「ケーキの一片」、転じて「たや…
-
徹底予測2021年 底打ちか奈落か
日本経済の節目の年として幕を開けた2020年は、誰もが予想できない最悪の1年となった。すべての始まりはコロナ禍だ…
-
クルマ大転換 CASE時代の新秩序
総付加価値額が450兆円ともされる自動車産業の構造が変わり始めた。GAFAやEVスタートアップ、ソニーなどが新た…
-
不屈の路程
話題の経営者や気鋭の起業家はいかにして自らの経営を確立するに至ったのか。そこにたどり着くまでの道のりは決して順風…
-
菅野泰夫のズームイン・ズームアウト欧州経済
ロシアを足掛かりに、欧州経済・金融市場の調査を担当して、既に十数年の月日がたちました。英国の欧州連合(EU)離脱…
-
1000年企業の肖像
日本は創業100年以上の企業が多くあり、世界一の長寿企業大国として知られる。その中には創業1000年を超えると伝…
-
10 Questions
いま、世の中で起こっていること。誰もが知りたいと思っていること。でも、ちゃんと理解できていないこと。漠然と知って…
-
河合薫の新・社会の輪 上司と部下の力学
上司と部下が、職場でいい人間関係を築けるかどうか。それは、日常のコミュニケーションにかかっている。このコラムでは…
-
ファクトフルネス思考
「データを基に世界を正しく見る習慣」を紹介した書籍『ファクトフルネス』は、日本で90万部を超えるベストセラーとな…
-
大西孝弘の「遠くて近き日本と欧州」
日本の読者にとって欧州のニュースは遠い国々の出来事に映るかもしれない。しかし、少子高齢化や低成長に悩み、企業の新…
-
グルメサイトという幻
食べログ、ぐるなび、ホットペッパーグルメ──。外食店探しに欠かせない存在となったグルメサイトの地位が揺らいでいる…
-
フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える
この度、故有りましてこの日経ビジネスオンライン上で、クルマについて皆様と一緒に考えていくナビゲーター役を仰せつか…
-
ファストリ、異次元の経営
コロナ禍の混乱からいち早く抜け出したファーストリテイリング。破綻が相次ぐアパレル業界にあって、なぜユニクロだけが…
-
テスラが仕掛ける電池戦争
日本でも2030年代半ばに新車販売でガソリン車をゼロにする方針が打ち出されるなど、各国の環境規制強化により普及段…
-
70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
全8回