シリーズ
宇宙開発の新潮流

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「火星に行くぞ!」と決めた企業の研究開発戦略
火星への移民を実現させるとするスペースXのイーロン・マスクCEO――しかし、開発費は天文学的なものになりそうだ。「火星に行くための技術開発費を、地上の経済の中でどう合理的にひねり出すか」に意を砕いている様子が見てみよう。
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「危ない橋を素早く渡る!」スペースXは止まらない
イーロン・マスク率いる米スペースXは、「失敗を恐れない」「大胆に新技術を実用化する」「急拡大を目指す」というシリコンバレー型戦略を宇宙産業に持ち込み突っ走ってきた。その突進路線が大きな障害にぶつかった。
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310億円が宇宙に消えた歴史的背景
X線観測衛星「ひとみ」の事故対策として、今考えられているように宇宙研方式を廃し、より厳密な方式に置き換えるだけでは、「技術開発と人材育成」を今後どうするのかという、一層やっかいな問題が発生する。
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310億円の事故と「会議室の大きさ」の関係
ひとみの事故の底に潜む問題は、単なる計画管理体制の強化で済むものではない。日本の宇宙技術の研究開発体制と、宇宙関連人材の育成――つまり技術とヒトと継続性に関係してくる、大変重大なものだ。
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北朝鮮、ムスダンの開発の異常なペース
これまでのロケット開発経緯から見るに、北朝鮮の技術者達は有能で粘り強い。アポロ計画ぐらいのテンポで開発が進展すると考えて、対応していく必要がある。油断してはならない。
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“ニホニウム”に見る自然科学の意義と意味
そこに山があるからだ――人間の営みの一部は「そこに目標があるからやる」という自己目的的なものだ。新元素の探索は、科学の中でもかなり自己目的的な色彩が強い。新元素の存在と性質は、現代の原子核物理学で予想することができる。
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かなり“攻めている”「ひとみ」事故報告書
5月24日、3月28日にトラブルを起こして機能を停止し、4月28日に復旧を断念したX線天文衛星「ひとみ」の異常事象調査報告書が、宇宙航空研究開発機構(JAXA)から文部科学省に提出された。
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JAXA、X線観測衛星「ひとみ」の復旧を断念
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、3月28日に通信が途絶したX線天文観測衛星「ひとみ」の復旧を断念したと発表した。復旧断念により、今後の焦点は事故調査に移る。JAXAから独立した強い権限を持つ事故調査委員会の立ち上げが…
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衛星「ひとみ」の重大トラブル、いま打つべき手
ひとみが、どこまで復旧できるかは今後の推移を見守るしかない。が、その間にも地上でできることはある。大きなダメージを被ったX線天文学へのてこ入れ――具体的には代替衛星への予算処置だ。
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“お家芸”X線天文学が迎える12年間の空白
日本のX線天文学は、1970年代から定期的に観測衛星を打ち上げおり、世界的に見ても高い水準にある。しかし今、その“お家芸”は転機を迎えつつある。科学観測上の要求から衛星は大型化するが、予算は増えないからだ。
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公開情報から読み解く北朝鮮のロケット開発力
結論を言えば、宇宙開発としても「ロケット打ち上げを名目にした大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発」として見ても、控えめに言って方向性にかなりの混乱ぶりがうかがえる。
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北朝鮮のロケット、今回の打ち上げの注目点
ロケットの進路の制御は、大陸間弾道ミサイル(ICBM)にとって非常に重要だ。とはいえ、ICBMを完成させるためには、打ち上げだけでは全然足りない。いったん宇宙空間に出た弾頭を大気圏に再突入させ、正確に目標へと誘導する技術…