第一生命ベトナムは社員や代理人の定着を図るため、様々なイベントなどを開催している。
つながり力強化の相手は企業だけではない。自治体との連携も積極的に進めている。
今年9月4日朝、札幌市中心部の大型ホテルで開催されたビジネス商談会・講演会。台風が接近する悪天候にもかかわらず、計330社、約450人が集まった。このイベントを主催したのは、北海道と第一生命だ。
規模自体、北海道ではかなり大きい上に、商談の進めやすさにもこだわったという。道内に製造・販売などの拠点を持つ大手企業21社の商談ブースと、中堅・中小企業60社が自社の製品やサービスを紹介し、商談も受ける展示ブースを設けた。「参加した大企業の数が多い上に、商談・展示の両方があり、大企業から中堅・中小企業までいろんな会社に商談を持ち込むことができるようにした」と第一生命北海道営業局の奥野祐子部長は説明する。
婚活パーティーの支援も
加えて、参加できなかった企業にも後で個別訪問をして参加企業との関係構築を手伝うことにした。手厚い体制を作った点が地元企業に評価され、参加企業数の多さにつながったようだ。
第一生命はここ数年、全都道府県と地域貢献の協定を結んできた。中でも、北海道や青森、宮城、山形、神奈川、岐阜、三重県や東京都など22都県とは、対象の広い包括協定となっている。商談会だけでなく、住民向けのがんや生活習慣病のセミナー、女性の企業管理職増につなげるための活動、高齢者の見守り、さらには少子化対策の一つとして婚活パーティーまで、第一生命が支援する。他の大手生保も自治体との連携に取りかかっているが、提携数の多さやメニューの幅広さでは第一生命が一歩先んじている。
それにしても、なぜここまで地域とのつながりにこだわるのか。
生保が直面している市場環境への変化対応だ。人口減に加え、顧客または顧客候補との接点をいかに確保するかが課題となっている。
「顧客の役に立つセミナーなどを開けば、新たな接点を作れる。営業職員の士気も向上するし、既存客以外とも知り合えるチャンスになる」と藤原則夫・帯広支社営業推進統括部長はその意義を強調する。直接関係ないような活動が従来とは違う顧客獲得につながるというわけだ。
例えば、自治体と共催するがんセミナー。今年5月に北海道と第一生命が共催したがんセミナーを実行部隊として支えた帯広支社では、約100人の営業職員が、総出で契約者や知り合いに声をかけ、瞬く間に参加者を集めた。第一生命が「集客」することは自治体にとってメリットがある一方、第一生命にとっては既存の保険契約者へのフォローのほか、新規顧客の開拓につなげるチャンスとなる。
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