30万円超のブランドバッグが月6800円で借りられるシェアサービスを展開する。バッグを貸し出す人にレンタル料が入る仕組みも構築し、利回りの高さでも関心を集める。

(日経ビジネス2018年7月30日号より転載)

バッグは全品フルメンテ
返却されたり預けられたバッグは、全てスタッフが点検をする。プロが全て修繕するので、個人管理よりも長く使えるという
こだわりの配送ボックス
バッグのサイズなどに合わせて箱のサイズが少しずつ違う。デザインは季節ごとなどで変わる

 「その時の気分や洋服に合わせてバッグも選びたいから、ほぼ毎週、違うブランドバッグで出勤しています」。アパレル系の企業に勤めるある女性は、昨日届いたばかりというバッグを持ってそう話す。いくつもブランドバッグを買えるような富裕層ではない。バッグのシェアリングサービス「ラクサス」を使って借りているのだ。

 このサービスを運営するラクサス・テクノロジーズ(広島市)の児玉昇司社長は、「妻が『出かけるのに持っていくバッグがない』と言っていたのが事業のキッカケ」と振り返る。“バッグがない”という言葉が意味しているのは、正確には「出かけるのに新しいバッグが欲しいが、買えずにいるということ」(児玉社長)だ。

 利用料は月額6800円(税別、以下同じ)で、有名ブランドバッグをレンタルできる。価格を決めた基準は携帯料金だ。「携帯料ぐらいの定額サービスは使った経験があるので、抵抗感が低いと考えた」(児玉社長)からだ。

 バッグの交換は月1回まで無料で、2回目からは1000円の手数料がかかる。プラダやエルメス、ルイ・ヴィトンなど、57の有名ブランドから好きなバッグが選べ、利用料を払い続ける限り返却期限はない。1カ月だけ借りるといった使い方も可能だ。

 サービスを始めたのは2015年2月のこと。それから3年余りで、同社の売上高は約12億円(18年7月期見込み)にまで急成長した。19年7月期には倍増の24億円という目標を掲げる。

 バッグは同時に何個も使わず、耐用年数も長い。高額でも長く使うことを考えれば買ったほうが得だと思う人もいるかもしれない。が、オシャレやマナーにこだわるとそうはいかない。お気に入りのバッグがあっても、「例えば真っ赤なバッグはお葬式には持っていけない」(児玉社長)からだ。「店頭販売は通勤や冠婚葬祭にも使えるようにと落ち着いた色のバッグが定番。シェアリングでは、店頭では売れないような明るい色のバッグが人気になる」(同)

 冒頭の女性は、10カ月で27個のバッグを借りたという。こうした、その日の服装や外出の目的に合わせてブランドバッグを選ぶオシャレの楽しみ方は、「お金に余裕がある一部の消費者しかできなかった」(児玉社長)。そこに目をつけたのが、ラクサスのサービスだ。