流通量増加によるドライバー不足、それに伴う物流コストの値上げは幅広い業界に打撃を与えている。ITやAIを駆使して効率的な配送の「仕組み」を構築し、無駄や無理な作業を省こうと挑む。

(日経ビジネス2018年6月18日号より転載)

 「個人のお客様は数個単位での注文が多く、数百個単位で注文する卸業者などの大口取引と比べて個別の伝票処理が必要な上、翌日発送など短い納期での注文が多い。しかし発送代行システムを導入したおかげで注文が増えても手間が少なくて済み、人件費を抑制できて助かっている」。そう語るのは睡眠時の気道確保を助ける鼻腔挿入器具「ナステント」のネット販売を行うセブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ(東京・港)の担当者。2年前にスタークスの発送代行サービスシステムを導入して以来、効果を実感しているという。

迅速かつ正確に
出荷作業はシステムで簡略化。倉庫業者は自動作成されたタブレット上の出荷指示書と商品の送り状をバーコードで照合し、誤出荷を防ぐ
無駄な作業を排除
これまでEC事業者から倉庫へ頻繁な問い合わせがあったという在庫状況。オンラインでの確認が可能となった

在庫管理や伝票作成を自動化

DATA
スタークス
2012年設立
本社 東京都品川区西五反田
1-21-8
資本金 1100万円
社長 上ノ山慎哉
売上高 6億円
(2018年6月期見込み)
従業員数 56人
事業内容 インターネット通販のプラットフォーム運営など
EC市場の規模拡大を背景に成長
●導入企業と流通総額の推移

 スタークスのシステムでは、EC(電子商取引)事業者は商品をあらかじめスタークスに一括で預けておくため、事業者は注文に応じてシステム上で出荷依頼をするだけ。在庫管理や発送伝票作成などの手続きはシステムで自動的に処理され、商品はスタークスが提携する倉庫会社や運送会社が梱包して発送し、購入者に届ける。倉庫の在庫状況もオンライン上で共有されるため、従来はEC事業者と倉庫会社の間で行われてきた頻繁な問い合わせも不要となった。

 2016年春にネット通販を始めた冒頭のセブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズは当初、倉庫会社との連絡などは自社で行っていた。しかし顧客の増加に伴い、効率化の必要性を感じ、同年7月にスタークスのシステムを導入。導入前は個人向けの請求書や納品書の作成などに手がかかり、病院や薬局向けと合わせて3人ほどで対応していたが、今ではネットでの購入者が約100倍にまで増えたにもかかわらず、1~2人で十分にカバーできているという。