大根やニンジンを“麺”にするピーラーなど、独創的なキッチン用品を相次いで商品化している。利用者の不便や不満を解消する商品の開発力を磨き、ヘルスケア分野も開拓する。

(日経ビジネス2018年5月28日号より転載)

大根を“麺”のように削るピーラーの使い方を実演する高部篤社長(写真=竹井 俊晴)
波状の刃で野菜を削る
波状の刃で野菜の表面にひだをつけ、軽い歯応えにするピーラー。持ち手のリングの中に指を入れれば手が滑らない
(写真=下:竹井 俊晴)

 皮をむいた大根に、波状の刃を2枚組み合わせたピーラー(皮むき器)を当て、手前に引く。すると大根が、断面の丸いなめらかな麺のように姿を変える。この“大根麺“に、レトルトのパスタ用カルボナーラソースをかけると、ヘルシーでも味にコクのある大根サラダが完成する。

 このピーラーは、キッチン用品などを手掛けるレーベン販売(横浜市)が昨年11月に発売した「ののじ ヌードルピーラー」。片方の刃で食材を押さえ、もう一枚の刃で食材を削ることで、野菜を麺のように加工する。価格は1296円(税込み)するが、10万本弱を売る人気商品になっている。当初は「東急ハンズ」や専門店に限っていた販路を、6月から量販店などに拡大することで、年間50万本の販売を見込む。

皮むき以外の機能を付加

DATA
レーベン販売
2002年設立
本社 横浜市西区北幸2-8-19
横浜西口Kビル
資本金 6000万円
社長 高部 篤
売上高 10億円
(2017年7月期)
従業員数 7人
事業内容 キッチン、ヘルスケア、生活用品などの企画
ユニークな製品が成長をけん引
●レーベン販売の売上高推移

 レーベン販売はこのような皮むき以外の機能を付けたピーラーを相次いで開発している。きっかけとなったのが2014年発売のキャベツ用ピーラー。キャベツを削るだけで、とんかつ店のようなふわっとした千切りが簡単にできる特徴が支持され、ヒットした。

 その後は、「新しいピーラーのアイデアがあれよ、あれよと思い浮かんできた」と高部篤社長は語る。15年に三角刃で根菜を薄い削り節のような形状に加工できるピーラーを商品化。17年には野菜を網のような形状に加工できる製品も発売した。様々なピーラーを累計350万本販売している。

 なぜここまでピーラーが売れるのか。「包丁もまな板もない家庭が増えているからだ」。高部社長はこう説明する。最近は、あらかじめカットされた野菜を買う人が増えていることが背景にある。確かにレーベン販売のピーラーがあれば、包丁もまな板もなしに、野菜を簡単にカットすることができる。

 一見するとこうしたピーラーは、ライバルも容易にまねできそうだ。しかし刃自体にわずかなゆがみがあったり、それを持ち手に取り付ける精度が低かったりすると、野菜を上手に削るのは難しい。さらに野菜を何度も繰り返し削っても、切れ味を維持し続けることも求められる。同社はこのような品質管理のノウハウに強みを持つ。

 レーベン販売は、もともとソフトウエア開発企業を経営していた高部社長が02年に生活用品部門として設立した。最初に開発したのは、先端部分をループ状に加工した弾力性のあるワイヤーを使った耳かき。一般的な耳かきと比べて、耳の穴を傷つけにくく、耳あかがごっそり取れると評判になった。