7割が出戻りを受け入れ

 調査結果からも明らかだ。人材サービス大手のエン・ジャパンが今年初めに全国661社の人事担当者を対象に実施した調査では、「一度退職した社員を再雇用したことがある」と回答した企業は72%に達した。2年前の調査に比べて5ポイント高まっており、出戻り社員への関心が高まっていることがうかがえる。

7割が出戻り社員を受け入れ、企業は即戦力を求める
●出戻り社員に対するエン・ジャパンの調査結果

一度退職した社員を再雇用したことがありますか?

一度退職した社員を再雇用する制度を設けていますか?

再雇用した理由は(複数回答)

注: 2018年2月28日~3月27日にエン・ジャパンのサービス「人事のミカタ」を利用する661社からインターネットによるアンケートで回答
出所:エン・ジャパン

 パナソニックはそんな出戻り社員を積極的に受け入れ始めた企業の一社。象徴は昨年4月に、かつてのOBで日本マイクロソフトの会長から専務として復帰した樋口泰行氏だろう。スタートアップの経営者だった岩佐氏を含め、幹部社員の出戻りが目立つが、そればかりではない。

 16年から、いったん退職した社員がある一定の条件をクリアすれば、パナソニックに再就職できるようにした。制度導入から2年半。今では数十人が出戻り、開発や営業など各部門で働く。

 もっとも、パナソニックのように、元社員の「出戻り」を制度化している企業はまだ少ない。先のエン・ジャパンの調査では、出戻りを制度として設けている企業は8%にすぎない。

 しかも、そうした出戻り制度の多くは、家庭の事情で退職せざるを得なかった元社員に限定しているものが多い。具体的には、結婚や出産、育児、介護、さらに配偶者の転勤などで退職を余儀なくされた社員が復帰できるというもの。KDDIや筆記具大手のゼブラなどが導入している制度はこのタイプだ。

 だがここにきて、出戻りの「門戸」を広げる動きが出てきた。転職や進学など自己都合での退職理由での出戻りを受け入れ始めているのだ。

 パナソニックでは、中途採用で募集する職種に、転職などで退職した元社員が応募できる。富士通のように結婚や出産などの理由で導入していた出戻り制度を改定し、退職理由を不問にする企業もある。