インターネットを介して資金の貸し手と借り手をつなぐソーシャルレンディング、AIを活用した融資、手数料を抑えた決済プラットフォーム……、新しいサービスが次々と誕生していった。マネーもフィンテックに流れる。コンサルティング大手、米アクセンチュアの調査によれば、フィンテック企業への投資額は15年には220億ドル(約2兆4200億円)と、5年で約12倍と急拡大。うち約半分を米国への投資が占める。リーマンショックは、米国を一大フィンテック先進国にしたのだ。

フィンテック企業が金融機関の業務を担う
●世界の主なフィンテック企業
上場するフィンテック企業も増えている(写真は2014年のレンディングクラブの上場セレモニー)(写真=ロイター/アフロ)

 日本でも触発された動きは出ている。決済支援や海外送金などで英米のベンチャーが進出したほか、日本のスタートアップが新サービスに乗り出している。だが、既存金融の存在感は薄い。

 「銀行のサービスは、誰でも等しく使えるように設計しなければいけない。(高齢者にとってはハードルの高い)デジタルサービスの採用は難しいというジレンマがあった」。三井住友銀行出身で、送金・決済アプリを手掛けるKyash(東京・港)の鷹取真一社長は話す。

 一方で、従来型のビジネスは行き詰まりを隠せなくなった。銀行貸し出しは伸びず、余った資金を運用するにも長引く低金利で国債の利回りは低下。自らフィンテック企業と連携を模索するなど、ここへきてようやく変化への対応に必死になっている。