自動車業界では、トヨタ自動車、本田技研工業、日産自動車。電機メーカーでは、ソニー、パナソニック、シャープ、東芝、三菱電機、日立製作所。これら企業が「The 日系企業」であり、「The ものづくり」の代表だった。それが、現在では、アップルやサムスン、フォックスコンなどが、ネオ製造業として台頭している。また、P&G、ウォルマート、ジョンソン・エンド・ジョンソンが製造業以上にすぐれたサプライチェーンを構築したり、IBM、ヒューレット・パッカードがBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を開始したりと、これまでのパラダイムを外れた事象が次々と出てきている。海外での先端の、「ものづくり」、「サプライチェーン」、そして製造業の将来はどう報じられているのか。本コラムでは、海外のニュースを紹介する。そして、著者が主領域とする調達・購買・サプライチェーン領域の知識も織り込みながら、日本メーカーへのヒントをお渡しする。
シリーズ
目覚めよサプライチェーン

完結
147回
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中国調達バカと生産回帰バカにつけるクスリ
罵倒を浴び、眠れない毎日を過ごしたことのないひとに、あのころの状況を伝えるのは難しい。鳴り止まない電話、次々に降りかかるトラブル、社内からの罵声……。私はこのような場所で、製造業の調達担当者としてキャリアをはじめた。
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「買わないバイヤー」が活躍する2019年
2018年も残すところあと数日だ。今回は2018年に起こったサプライチェーンにまつわる事件を振り返り、2019年に行うべき備えについて述べる。2019年、部品や原材料の購入行為の重要性はより低くなってゆく。
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おもちゃにも参入するアマゾンの狡猾さ
私が子どもと店舗に行ったとき、子どもがほしがったおもちゃを見つけられなかった。子どもが店員に聞いたところ、「並んでいる中から探してね」といわれた。そこで、私のスマホでアマゾンのサイトに飛んだ。在庫もあるらしい。すぐさま注…
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改正水道法に欠かせない基礎的な調達スキル
先週、改正水道法が成立した。今回の改正の目玉は「今セッション方式」と呼ばれる、民間の持つノウハウを見ず道事業に活用する道を開いたことだ。今回は、コンセッション方式を軌道に乗せるために必要な準備について述べてみたい。
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アマゾンの巧みなプライベートブランド戦略
現在、アマゾン・ドット・コムとドン・キホーテのみが小売業を制覇しているように思える。ではアマゾンのプライベート戦略はどのようなものだろうか。今回はそれを見てみる。
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法律で「外国人は来日する」は思い込みである
臨時国会で討議されている出入国管理法改正案。政府・与党と野党で論戦が続いた。しかし、これまでの議論には、1つ欠けている論点がある。法律改正の結果、外国人が来日してくれるのかどうか、である。
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ウォルマートはアマゾンとのAI戦争に勝利するか
先日、米ウォルマートは、ニューヨークにAIの研究所を開設すると発表した。たとえば、小売店では商品在庫量が常に問題になる。ウォルマートは、在庫補充にAIを活用する意向だ。
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東芝の調達改革が前途多難なワケ
11月8日、東芝は2023年までの中期事業計画を発表した。「東芝Nextプラン」と名付けられた全社変革計画は、調達改革も含まれる。2018年度対比で、2021年には調達改革の効果を約650億円捻出する計画だが……。
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アマゾンの合法的侵入システムは怖い?便利?
米国の住宅メーカーが、アマゾンとの連携を発表した。彼らはアマゾンの音声AI「アレクサ」とともに、スマートホームを進めていくという。家庭内にアレクサを組み込むことで、「つながる住宅」を実現する。
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中国の雄安新区が上海と肩を並べるためには?
中国の将来を担うと期待を託された雄安新区を訪問した。地理的に北京と天津と三角形を形作るこの地域にかける中国政府、そして習近平国家主席の期待は大きい。しかし期待の大きさと比較して、思惑通りに都市建設が進むかどうかは不透明で…
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習主席の肝入りで始まった開発区で味わった残念感
習近平主席の肝入りではじまった開発区・雄安新区にある雄安新区市民サービスセンターを訪ねた。ここは、テクノロジーの先端地域となり、スマートシティーの実験場として、未来の中国を体現する役割をもつ。そこはどれだけ革新的なのか?
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ダイフクと会見、ユニクロは物流を表舞台に
10月9日にファーストリテイリングの柳井正会長兼社長が、マテリアルハンドリング自動化の最大手であるダイフクの下代博社長と共に提携会見を行った。今回の記者会見には、もっと大きな歴史的な意味合いが存在する。
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物流地獄を認めたテスラとマスクCEOの今後は?
米テスラのイーロン・マスクCEOに向けて、一つのツイートが購入者から発せられた。テスラのクルマを購入したにもかかわらず、クルマの納品日が何回も延期してしまい、いつになるかわからないというのだ。
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日銀短観が示す景気後退は本当か?
サプライチェーンを通じて景気動向を感じるには、売買量をチェックすれば良い。関連企業の景況感も理解できるし、先々の見通しから将来的な自社の関連する業界の景気動向も確認できる。
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展示会を再考、チラシの渡し方が雑!
前回、調達・購買コンサルタントの立場から、「こんな展示企業は見に行く気がしない」といったことを率直に書いた。さらに、今回も述べてみたい。今回は立地、メリットの訴求性、そしてチラシの渡し方について考察する
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新規のサプライヤーが開拓できない本当の理由
新たなビジネスにおいて調達先を開拓する必要性が高まり、「資材調達・物流・貿易」職の求人が、増加しているという。果たして、新たなビジネスに必要なサプライヤーを開拓できるバイヤーが、そんなに多くいるのだろうか。
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展示会を再考、キャンギャルでの集客は効果的?
私はときに、地方に講演へと出向く。私は調達・購買・サプライチェーン関連のコンサルタントなので、主なテーマは同分野だ。ただし、ときに「調達・購買サイドから見た、展示会出展企業へのアドバイス」をテーマとして希望される場合があ…
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起こるべくして起こったヤマト過大請求
内部告発で明るみに出たヤマトホームコンビニエンスによる引越代金の過大請求問題。調査委員会が発表した「調査報告書」を見れば、今回の過大請求の発生理由が極めて明確に理解できる。ポイントは2種類の「お客さま」である。
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グーグルのリアル店舗が誕生か?
先日の報道によると、米グーグルがシカゴに店舗の開設を予定しているようだ。シカゴ・トリビューンによると、実際に賃貸物件の契約が間近としている。グーグル広報は、この動きについて言及を避けている。
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アポなし訪問で確立する取引先との信頼関係
日本の貿易において、超過額が拡大傾向を示しているのが医薬品だ。ところが、グローバルに広がる医薬品のサプライチェーンにとって気になる問題を英ファイナンシャルタイムズが報じている。
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従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
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