シリーズ
ニッポン農業生き残りのヒント

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「希望の工場レタス」、販売会社解散のワケ
植物工場の可能性を示す例として、メディアで大きく取り上げられてきた野菜の1つに「低カリウムレタス」がある。腎臓病患者でも安心して食べることができるレタスの登場は、栽培環境を高度にコントロールする植物工場の強みの象徴と映っ…
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現場発「地味な発明」こそ、農業を救う
農業の構造変革を担うのは、巨額の資本や特殊な技術だけではない。農家が主導して作り上げた、一見ローテクに見える技術が、広く農業の現場を変えることもある。ベンチャー、農匠ナビ(東京都千代田区)が開発した水田の自動給水機を紹介…
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植物工場で地殻変動「レタス日量25万株の衝撃」
バイテックホールディングスが、レタスなどの葉物野菜の植物工場の新設計画を発表した。ごく一部の植物工場関係者以外は、このニュースに注目していない。が、局面を大きく変える地殻変動は、往々にして極めて静かに進行する。
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レトルトカレーの躍進が農業経営に転換を迫る
茨城県土浦市で野菜を有機栽培している久松達央さんのインタビューの後編。久松さんが20年前に就農して以来、主力にしてきた「おまかせ野菜の宅配セット」が直面している難しさをきっかけに、課題と展望を聞いた。
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農の技術革新「神の想定外」にどう向き合うか
物事をどう評価すべきか迷ったり、新しいことを思いついたりしたときに相談する相手がいる。今回はその1人であり、筆者にとって農業取材の「ご意見番」、茨城県土浦市で有機農業を営む久松達央さんのインタビューをお届けする。
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魚沼コシヒカリ特A転落って「どの魚沼コシ?」
コメの最強ブランド、新潟県魚沼地区のコシヒカリが食味ランキングで、28年間守り続けた特Aランクから転落。産地では「来年は必ず特Aを奪還する」と意気込む。さて、そもそも特Aとは? 今回はコメの「おいしさ」を考えたい。
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現代の匠「AIで根っこを動かせ!」
農業で情報システムの活用が始まっている。「勘と経験に頼る農業からの脱皮が必要」と言われて久しいが、かつては開発側の思惑と現場のニーズにギャップがあった。今回は情報システムを活用してトマトを栽培する長嶋智久さんを訪ねた。
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中国で挑む農業、ブランド価値は「日本人」
人件費や輸送費を考えると、農産物を輸出するのは簡単ではない。ならば農産物ではなく、人が国境を越えればいいというのが今回のテーマだ。ブランドを支えるのは日本産ではなく「日本人」。ターゲットは中国だ。
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アウェーであえて宣言「JAの時代が来る」
日本の製造業は世界で確固たる地位をかつて築いていた。その同じ「もの作りのDNA」を持つ日本人が農業に転じると、とたんに怠惰になるものなのか。今回はあえて「JAの時代が来る」と宣言して考察を進めたい。
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ヨーカ堂・元社長は全農をどう改革するのか
「全農改革」に政府・与党が求めたのが外部人材の登用だ。この要求に対し、全農は意外な「大物」を役員待遇で迎えることで対応した。イトーヨーカ堂で社長を務めた戸井和久氏だ。改革への取り組みを戸井氏に聞く。
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「曲がったニンジン」が問う野菜の真の価値
農業と食品流通の課題に「規格外の野菜をどう売るか」がある。味も品質も変わらないのに、小売店が売りたがらなかったり、消費者が敬遠したりする。この積年の課題に挑戦しようとしているのが、NKアグリとイオンアグリ創造だ。
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センサー農業の極意「一番知りたい事は測らず」
今回はセンサーがテーマ。測るデータが多いほど、農場の様子が詳しくわかるが、計測器の数が増えれば投資額も運営費も膨らむ。コスト抑制が課題だが、今回取り上げるのはその先。「知りたい情報を測らずに知る」システムだ。
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ついに迫る農業の臨界点「国産が足りない!」
どう評価すべきか、迷うデータが発表された。一見、農業の先行きに光が差したように見える。農業所得が2年続けて増えたのだ。だが、楽観すべきか判断がつかない。農業危機が現実になったことを映しているかもしれないからだ。
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ウツを防げ!農業が分泌する「幸せホルモン」
農作業で、どれだけストレスを減らせるのか。それを実証し、ビジネスに結びつけようという試みが始まった。順天堂大学とヤンマーのプロジェクトだ。キーマンの順天堂大医学研究科・千葉吉史研究員にインタビューした。
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「ブランド米は高くて当然」はハッタリか?
新潟県阿賀町の農業法人、越後ファームがつくるコメは「食のプロ」たちが認めるおいしさで、値段は高いが、売れる。その「ブランド戦略」について、越後ファームを率いる近正宏光氏に話を聞いた。
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2018年「減反廃止」でも幻のコメ大増産
日本の農業を半世紀近く束縛してきた制度が2018年についに廃止になる。本来なら、大改革として大騒ぎになりそうだが、実際は淡々と静かに仕組みの見直しが進むことになりそうだ。コメの生産調整(減反)のことだ。
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ロボットが匠の農を超える未来
情報技術がなければ営農が成り立たない時代が目前に迫っている。今回は「大規模化」に伴う農業構造の変化に対応する可能性をはらんだ技術を紹介したい。開発したのは、愛媛大発のベンチャー企業、プラントデータだ。
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高級料亭4代目はなぜ「工場野菜」を選んだか
1950年創業の精進料理の高級店「醍醐」では、工場で作った野菜を使っている。店のイメージに影響しないのか。そもそもなぜ、工場野菜を使うことにしたのか。4代目店主の野村祐介氏にインタビューした。
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食味値の高いコメ、本当においしいですか?
今回は、コメのブランド化について考えてみたい。取り上げるのは、腕に自信のある各地の稲作農家のコメをシリーズ化しているベンチャー企業、アップファーム(大阪府吹田市)だ。
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ソフトバンク系の農業サービス阻む「疑心暗鬼」
「農業資材」の値段や品質を農家がウェブ上で比較できるサービスが7月に登場した。ソフトバンク・テクノロジーの「AGMIRU(アグミル)」だ。誕生の背景にある「小泉全農改革」の波及効果と今後の課題を考える。